彼とは教室が別の階だった 友だちに会うために彼の教室の前を通ると 時々彼が後ろから頭をポンっと叩いてきた 私は叩かれた頭に手を置き 頬を膨らませて彼を睨む 部活でもそれ以外の時間でも 彼とはそんなやりとりが多かった 何かを語り合うとか 一緒にどこかに行くとか そういうことは一切無かった