「どうだ?」 音を出す練習をしてると、背後から彼の顔がヒョイと現れた。 びっ、びっくり……!! なんでいきなり現れるの!? 驚いた心臓が力強く脈を打つ。 「驚かさないでよ!」 「あ、悪い……」 視聴覚室はいろんな楽器の音でいっぱい。 だから、気配も感じ難いし声だって大きくないと聞こえないんだ。 ドキドキしてる私の隣に突然パイプ椅子が現れた。 え…… もしかして…… 胸騒ぎのような大きな動揺が体中に走った。