復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜

零が頭を地面にこすりつけて、謝る。

一体どうなるのだろう、と奈々子は両手をぎゅっと握りしめた。

――だが、なにも起こらない。

零がおそるおそる顔をあげて、携帯電話を見た。

「十二時過ぎてるけど、生きてる……」

そうつぶやきながら、立ちあがった。
緊張から解き放たれたのか、口元には笑みが浮かんでいる。

奈々子は嬉しさの余り、飛び出すと零に抱きついた。

「零くん、やった。呪いはかからなかったんだよ」

零も微笑みながら抱きしめてくれる――はずだった。

だが、零は奈々子を突き飛ばした。

雨で地面が濡れていたため、奈々子は足を滑らせ、尻もちをついた。
ズボンをじんわりと雨水が濡らす。

ふっ、と零が冷たい笑顔を浮かべる。