シンと静まり返った教室の床を、奈々子は赤ん坊のようにはい、落ちていた亜美の携帯電話を手にした。

呪いのメールじゃなかったはずなのに、一体どうしてこんなことに――。

画面を見た奈々子は目を疑った。

新着メールが一件届いている。

【†強欲† ただし両手に何も手にしてはいけない。待ち受けるのは黒い未来だけとなるだろう。】

亜美は、愛華から切り取った髪を両手に持ったまま倒れている。

奈々子は無我夢中で床をはい、愛華の携帯電話を探した。

愛華の携帯電話は机の下の落ちており、震える手でつかんだ。
まだ生温かい血がついている携帯電話を開いて、画面を見る。