振り返った女子の顔を見て、山崎はぎょっとして足を止めた。というか動かなくなった。

女子の顔半分が、血でべっとりと濡れていたのだ。
こちらを見てくる目に光はない。まるで底なし穴のような目だった。

女子は微かに微笑んだ。にぃぃ、と血のついた唇を動かして。

それがこの世のものとは思えないほど恐ろしくて、山崎たちは女のような悲鳴をあげて、転げるように逃げ出した。