千尋は倒した本棚をひょいと持ちあげた。
中からバサバサと死んだカモメのように広がった本が落ちていく。
千尋は本棚を奈々子たち目がけて、振り回してきた。
「キャーッ」と悲鳴をあげ、ドアから逃げようとしたが、愛華が閉めてしまい、脱出口を失ってしまった。
奈々子と亜美は六畳の狭い部屋を必死に逃げ回る。
部屋の片隅で震える奈々子たちを見て、千尋は本棚をおろし、ため息をついた。
「はあ……わたしは寝ていたいだけなのに、なんでみんなして邪魔するの。なにもかも面倒くさいのに……」
そこで千尋の口元が、あ、と動いた。
「そっかそっか。そうすればいいんだ」
微かに微笑みながら、千尋はベランダの窓をガラガラと開けた。
中からバサバサと死んだカモメのように広がった本が落ちていく。
千尋は本棚を奈々子たち目がけて、振り回してきた。
「キャーッ」と悲鳴をあげ、ドアから逃げようとしたが、愛華が閉めてしまい、脱出口を失ってしまった。
奈々子と亜美は六畳の狭い部屋を必死に逃げ回る。
部屋の片隅で震える奈々子たちを見て、千尋は本棚をおろし、ため息をついた。
「はあ……わたしは寝ていたいだけなのに、なんでみんなして邪魔するの。なにもかも面倒くさいのに……」
そこで千尋の口元が、あ、と動いた。
「そっかそっか。そうすればいいんだ」
微かに微笑みながら、千尋はベランダの窓をガラガラと開けた。

