それから千尋はずっと暗い目で遠くを見たまま、黙りこんでしまい、重苦しい雰囲気のなか、奈々子は弁当を食べることになった。
一緒に行動すると決めたものの、これから先もこんな状態が続いたらどうしよう……と奈々子は弁当を巾着袋に入れながら思った。
――帰りのホームルームが終わり、教室から出ようとすると零が廊下に立っていた。
奈々子と千尋に気づいた零は、微笑みながら小さく会釈をした。
それだけで、奈々子の心臓は大きく波打つように鳴った。
「愛華」と零は奈々子の横を通りすぎていった。
「あれ、零どうしたの?」
通学カバンに荷物を入れていた愛華が笑顔になる。
「ホームルームが早く終わったから、愛華と一緒に帰ろうと思って待っていたんだ」
「ごめーん。今日、友達とファミレスに行くんだ。どーしてもあたしに相談したいことがあるって言うから」
「そっか、愛華頼りにされてるんだな。じゃあ、夜電話するから」
誰も頼りになんかしてないわよ、という風に、千尋は苦々しい顔をしていた。
一緒に行動すると決めたものの、これから先もこんな状態が続いたらどうしよう……と奈々子は弁当を巾着袋に入れながら思った。
――帰りのホームルームが終わり、教室から出ようとすると零が廊下に立っていた。
奈々子と千尋に気づいた零は、微笑みながら小さく会釈をした。
それだけで、奈々子の心臓は大きく波打つように鳴った。
「愛華」と零は奈々子の横を通りすぎていった。
「あれ、零どうしたの?」
通学カバンに荷物を入れていた愛華が笑顔になる。
「ホームルームが早く終わったから、愛華と一緒に帰ろうと思って待っていたんだ」
「ごめーん。今日、友達とファミレスに行くんだ。どーしてもあたしに相談したいことがあるって言うから」
「そっか、愛華頼りにされてるんだな。じゃあ、夜電話するから」
誰も頼りになんかしてないわよ、という風に、千尋は苦々しい顔をしていた。

