お菓子のカスをくつに入れていた人がなにを言っているのだろう。あのとき楽しそうにしていたくせに……。 「じゃ、わたしらもう帰るから」 さえは吐き捨てるように言い、千尋と帰っていった。 公園に一人残された奈々子は、その後ろ姿を見ながら、左胸をぎゅっとおさえた。