手の上にはキチンと畳まれた服
「これ、なに?」
シルクの執務室に書類を出しに来たクリア
書類を渡した手にのっけられたのは、一見肌触りの良い白に黒で縁取った制服
「ん?制服だよ。今回の応戦には君にも出てもらうから。」
書類から目を離さないで話す
「やっぱ私も行くんだ」
「そのつもりだけど……嫌なの?」
相変わらずはっきりとした表情はないが、優しい声色
「いえ、はっきりとは言われてなかったから」
「んー、クリアには覊匠蕀隊に入ってもらうつもりだったんだけど大丈夫?」
「シヴァさん達のところ?でも制服ちがくない?」
確か魔道志さんが紺で、剣士さんが緑色の制服だったような気がする
「そ、そのシヴァさん達のとこ。
彼らの隊が1番強いし、ヤりやすいでしょ?
制服が違うのは、君は別に覊匠蕀隊の人間じゃないから。はい、これ次の宿題」
ぺら、と差し出されたのはグラフと字詰めされた何枚かの紙
「敵の情報。と、ウチの軍の仕組み。まだ何も知らないでしょ?だから、読んどいて」
差し出された紙を受け取って、気の抜けた返事をする
「文字嫌いなの?」
縦幅が少しある白い布を髪の間間に巻かれ、そのまま左目も覆われてるから、右目しか見えない彼の目と合う
(スカーフを頭に2、3週巻いて、間から髪が出てる感じです)
「だったら俺の隣で書類整理する?」
どっちがいい?
なんて、読んでた書類をわざわざ置いて楽しそうに訊いてくる
「読むのが面倒くさいなら、俺が説明してあげる。
その代わり、書類整理手伝ってもらうけどね」
「……書類整理、大変ですか?」
しかも、話し聞きながらでしょ?

