桐也……あたしは産まれてきて今までに、この名前を何回呼んだだろう? きっと、数えきれないほど呼んだし、きっと数えきれないほど考えたんだろうなって思う。 そして、これから先も桐也…って数えきれないくらい呼んで、数えきれないくらい桐也の事を考えるんだと思う。 『桐也…。』 あたしがふっと呼ぶと、 『どした?』 そう言って首を傾げた。 『ううん…〃〃 何でもない(笑)…あっ!そういえば、夏津紀どこ行っちゃったんだろうねぇ。』