『お願い。私はここで少し休んでいるから。中にいてあげて?』 桐也のお母さんは、あたしの手を握って頼んできた。 『め…迷惑じゃないですか?あたしなんかが桐也の所に行ったら、逆効果かもしれませんよ?』 あたしが慌てて、桐也のお母さんにきくと、 『私ね。穂乃嘉ちゃんが近くにいてくれれば、なんだか治るような気がするの…。私もさっき穂乃嘉ちゃんに会うまでは、暗い気持ちだったから。』 桐也のお母さんは、真剣な顔で言った。