こっちむいて伏見!


中ではいつものように、
先輩はまだ来ていなくて。

伏見だけが背を向けてなにか作業をしていた。


今日も先輩は来ないのかな。


来たら来たでなんだか振り回されそうで不安になるけれど、
いないとなると
それはそれでまた頼るものもない感じで不安になる。



とりあえずえっと。


まあ、こういう風景はいつものことだから気にしない。



アタシはそのまま部室に入り、
カバンを机の上に置いて部屋の隅に置いてあるホウキを取り出した。



「…昨日、ちゃんと掃除してなかったから…」



伏見を見ながら聞こえるように言ってみる。


…反応なし。



部室は静かでグラウンドから体育会系のクラブの掛け声が聞こえる。

それから少しやわらかくなった日差し。


それでもここは静かだ。