こっちむいて伏見!



「味見分だけ。
ちょっとだけならかまへんけど?」


アタシはそう答え、
焼きあがるまで時間がかかるから部屋から持ってきた雑誌を手に取り、
ダイニングテーブルの席につく。


「なんやねん、ケチ。
ケチ女!」


ふん、
だってアンタのために作ってんじゃないんだから。

アタシは知らん顔して雑誌をながめる。


弟は無視されたのが気に入らなかったのか同じ言葉を繰り返す。


「ケチケチ女!」


「うるさいっ!
誰もやらへんなんか言うてへんやろっ」


なんか腹立つ。

そう、こういうところが腹が立つのだ。



「だれもアカンなんか言うてへんやろ!
そんなん言うんやったら1枚もやらへんからな!」


アタシは立て続けについ大声で言い返す。