こっちむいて伏見!


そう言われてアタシはあっと思い出して、
慌てて入部届を出した。



彼は用紙をチェックする。


「ふーん、深草 マリノって言うんや?
よろしく。マリノちゃん?」



は?
マリノちゃん?


いやいや、いくら先輩でもそれはないでしょう。

っていうかなんかそれって馴れ馴れしくない?



だいたい、
もしクラブでそれにそんな風に呼ばれたら伏見に誤解される。



「…あの、深草ですから」


「うん、知ってる、マリノちゃん」


「そういう意味じゃなくて、
あの、その下の名前で呼ぶのって、
その、なんか…」



なんて言えばわかってもらえるんだろう。


「うーん…、えっと、」


「うん、うん?」

一生懸命、
考えるアタシに彼は興味深々で身体をを乗り出して聞いてくる。