でもメガネじゃないアタシは せっかく笑顔なのにぼやけた彼の顔じゃなくてはっきりと見たいから 無意識にアタシは彼に顔を近づける。 するとそれまでチップに夢中になってたくせに アタシの近すぎる視線に気づいて彼はぎくっとする。 「ちっ…近いって言ってるやろっ!」 そう言ってアタシの額を手で押して距離を取り表情をまたいつもの無表情なものに戻した。 「痛っ!な…なんやの! せっかく見つけたのに…」 彼はアタシとチップを見比べて黙り込んだ。 「?…」