「なんで俺の席で寝るねん! 自分の席帰れやっ!」 ぼんやりとして彼の言うことに動じないアタシに伏見は さっきよりも大きな声で怒る。 「…もう、 減るもんやないのに…」 アタシは目をこすりながらボソッと答える。 「減るとか減らへんとかそういう問題ちゃう! 気分の問題!」 「あー…、 そう…」 のんびりと答えながらアタシは あ、そうだ と思い出した。 そしてハンカチで包んでいたチップを出して彼に見せた。