こっちむいて伏見!



う。

泣かないもんね。

哀しいことなんか、
なんにもないんだから。


そう思ったとき、
すっと伏見がハンカチを差し出した。



「ほら、」


「あ…ありがとう」


でも。

相変わらず彼はアタシと目を合わそうとせずそっぽを向いて、
それ以上のことは何も答えなかった。


気の利く男性ならきっと一言あったりするんだろうけど。


ま、伏見はそんなタイプじゃないし。


でもさ、
好きって言ってくれたのもあのときだけ。


あれから
また彼はずっとこんな感じ。