彼の言葉にさっきの緊張が心地よい緊張に変わる。 そっか、 そうなんだ。 そうだったんだ。 いろいろあったけれど 鈍いところも 不器用なところも 煮え切らないところも アタシ、多分、 そんな彼が全部大好きなんだ。 「…もう少し… 近くに行っても… ええかな?」 今度はさっきとは比べ物にならないくらいの小さな声で彼が言った。