このまま、 黙って帰ろうか、 そう思ったとき。 伏見の腕が動いた。 わっ…。 そして 少しして彼が目を覚ました。 「…あ…」 そして 伏見はアタシを見て不思議そうに言った。 「な…なんでここにおるねん?」 「え? えっと、…藤森先輩が…」 先輩がここに行けって言ったから来たんだけど。 まさか、 誰かがいるとは思ってなかったから。 戸惑いながら、 小さな声でアタシは答えた。