アタシは先輩の言葉を聞きながら、
これまで伏見が話しかけてきていたのに無視し続けていたことを思い出した。
「アイツ、自分の気持ちに気づくのが遅かったって言ってた。
まぁ、人と付き合うのがわずらわしくてコンピュータをひとりでいじってることが
一番楽しいって思ってた奴やからなあ」
自分の気持ち?
なにそれ。
「そんなで深草のことが本当は好きだっていうことに、
気づかへんかったっていうのもわからんでもないけど。
だから…、
そのことを話そうと思って何度か、
オマエに声かけてたんとちゃうかな?」
「えっ!!」
そんなのおかしいでしょ?
どう考えても。
だって
伏見は先輩と付き合えばいいって言ったし。
アタシも
先輩と付き合うってアイツに宣言したんだから。
なのに
止められもしなかったんだから。
アタシは驚いたまま、
膝の上で両手をぎゅっと握り締めるだけだった。

