こっちむいて伏見!



そして。


その後も2人でずっと探していたけど見つからず時間だけが虚しく過ぎていった。




静かな教室の中、
伏見くんの腕時計のアラームがピッと時間を知らせる。



「…もう5時半か。
ここまで探してもないんやったらもうないかもな。
結局今日はクラブにも行かれへんかったし…」


5時半?

ふと窓の外を見ると夕暮れというよりも夕闇に近い景色になっていた。


教室の中も薄暗く、
小さなものを探すには教室の電気をつけないと難しいかもしれない。



「でも。
ここでなくしたんやろ?
もっとちゃんと探したら…」


アタシは彼の残念そうな顔を見てなんとかならないかと思いながら訴えるように言う。