こっちむいて伏見!



聞こえる声はかなり怒っていた。


忘れてた、ごめん。

なんて言ったところで余計に怒らせてしまいそうだ。



「えーっと、ごめん、
今、伏見と一緒で…」


「はあ?」


「そやからー、えっとー」


言葉を探してみるけれど適当な言葉は思い浮かばず。


「ごめん!先帰っといて?」


それだけ言って電話を切った。





「用事、あったんか?」


携帯を再びポケットに入れてると伏見はアタシに聞いた。



「あ、大丈夫。
なんでもあらへんから」


変なこと言ってもういいから帰れ、
なんて言われたら嫌だから適当に言葉をごまかした。


こんなせっかくのチャンスを逃してたまるもんですか!



あとでマユコにはちゃんと謝っておこう…。