こっちむいて伏見!



あたふたした先生が伏見を指す。

「じゃ、伏見、
ご指名がきたところでやってもらおうか?」



伏見はしぶしぶ席を立ち上がった。


アタシはその彼の姿をぼんやりと見つめる。


超能力でもあればいいのに。

そしたら
少しでも伏見のことがわかれば。



彼は黒板のところまで行ってチョークを持ってしばらく考え込んでいた。



あ、わかんないの?

ふん、ザマーミロ。


アタシのこと傷つけるからそういうことになるんだから!


ちょっと嫌な性格してるな、
アタシ。


もとからか。