こっちむいて伏見!



「ふたりきり」

っていう言葉に

なんか

もう

チップどころじゃなくなってきた。



無意識にアタシは少しずつ、
彼の後姿に近づいて行く。


広い背中。


思わず必死に四つんばいになって探している、

彼の姿に抱き付いてやろうかって衝動にかられてしまう。


そして
そっと手を伸ばしてみる。



そのとき。

制服のスカートに入っている携帯が突然、
振動とともに呼び出し音が鳴り出す。