先輩の手招きに誘われるように、
アタシは道具が置いてある場所に入る。
……。
マユコの言うとおり、
本当にこれで簡単に事態が好転でもすればいいんだけど。
道具が置いてあったり、お茶を用意するカーテンで仕切られたこのスペースからは
伏見のいる受付がちょっと見える。
見えても背中なんだけど。
「深草?
新しいダージリンってどこに片付けたっけ?」
「あ、えーと、
ここの棚です」
そう言いながらアタシはお茶の入っている箱を取り出し、
先輩に渡す。
「サンキュ」
そう言って先輩はてきぱきとお茶の用意をして、
カーテンの向こうのお客さんへと運ぶ。
動作もスマートだなあ。
アタシはマユコからもらった注文を用意しょうと
電動ポットからカップに熱湯を入れながら先輩の姿をぼんやり眺めていた。
「…っ!!あっつっ!!」
いきなり熱湯がアタシの手の甲に当たる。
どうやらアタシはカップからお湯が溢れ出したのにも気づかず、
そのお湯がアタシの手にかかったようだった。

