そして無事、
教室の前までたどり着く。
大きく深呼吸して息を整える。
「…あ」
ドアに手をかけふと思い出す。
そういえば。
あの影はなんだったんだろう?
ドアにかけていた手を思わず下ろしてしまう。
脳裏に怖いユーレイの姿が浮かび背中が一瞬ゾクッとする。
…いや、ない、ない。
いつまでもここに立ってるわけにもいかないんだから。
アタシは再びドアに手をかけ、
ゆっくりと開ける。
「誰か…いる…んですか?」
無意識に聞いてみるけど返事はない。
やっぱり気のせいだったんだ。
いや、でもだって。
ドアを開けたものの、
教室の入口で立ち止まったまま、
中の様子をゆっくりと確かめるように伺う。
しんとした教室。
やっぱ、なんもないじゃん。
アタシはちょっとホッとしてゆっくりと教室の中へ入る。
途端に、
後ろの席の方でガタッと音がする。

