こっちむいて伏見!



びっくりした顔をし続けているアタシに
彼はさっきと同じ言葉を何度も繰り返す。


そんな必死になって
言い訳している彼を見たら…。

なんかちょっと笑った。



今度はアタシから彼に近づいて、
何も言わず笑顔だけで応えると。


伏見はやっぱり、
相変わらずの照れくさそうに困った顔をする。


「…おい!
なんか勘違いしてるやろ!
違うからなっ!
寄るなっ!近づくなっ!」


なんだかいつもの彼に戻ったようだ。

嬉しくなってちょっと安心する。

…と思ったら。


急に緊張がなくなったせいか、
また気持ち悪くなる。


「う…、ごめん。
伏見…。
なんか、吐きそう…」


「うわっ!!
こんな路上で吐くなっ!
ちょっと我慢しろ、
あっち、あっち行くからっ」


彼は慌ててアタシの腕を掴んで移動する。