こっちむいて伏見!



昇降口の手前、
ちょうど中庭のところから見上げると3組の教室が見える。



「…あれ?誰かいる?」


こんな時間、教室には誰も居ないと思ったのに。

目を凝らしてみるとなんとなく黒い影のようなものが…。


気のせい?


ユーレイとか止めてよね。


そんなの信じるタイプじゃないけどさ。


どうしようか。

メガネかけて確認しなおしてみる?


カバンからメガネを取り出そうと手を突っ込み、
ガサゴソと。


うーん、マユコも待ってるし。

それにユーレイでも人間でも何が残っててもどーでもいいし。



カバンの中に入れた手を出しそのまま教室へと急いだ。



昇降口にある靴箱から上靴に履き替えることもせず、
3階まで一気に階段を駆け上がる。


先生にでも見つかったら大変だ!


急げ、急げ!