こっちむいて伏見!



「あのときアイツらに俺がオマエのことを…っ!」


そこまで言いかけて彼はハッとして口をつぐむ。


「?…」


「いや、とにかく、
俺がおらへんかったら…、
どうなってたか、
わからへんかったやろ…っ!」


顔を赤くして焦りながら言う彼。

何を言ったんだ?

なんかまた気になってきたんだけど。


でもいいや、
アタシ、どうにかしてひとりで帰るもん。

「ほんじゃね」


アタシは再び彼に背を向けて歩き出そうとした。



「…ま…待てやっ!」


伏見が大声でアタシを呼び止めた。

アタシは顔だけ振り向いて彼を見る。


「あ、いや、
帰るんやったら、…一緒に…」


「……」


アタシは彼の意外な言葉にびっくりする。

そして
なにも言わないアタシに一生懸命ゼスチャーを交えながら説明する。


「ち、違うからな、
止めたんは別に心配とか、
そういうんちゃうからな!
オマエをちゃんと責任もって連れて帰れって
先輩の伝言もあったし…。
それに…、」


「それに…?」


「そう!
もしなんかあったらクラブの存続も危うくなるから!
そうなったら困るから!」