こっちむいて伏見!



…なんでだっけ?


ここまで来てしまうとどうして自分が必死に
逃げ回っていたのかわからなくなっていた。


「えーっと…」


あ、そうそう。

そんなの伏見が…。

アタシと一緒にいるのに全然アタシのこと、
見てくれないからじゃないのっ!


…なんて言ったところで。

きっとまた彼は意味不明って顔するんだろう。


アタシの気持ちわかってるのか、
どうかもわからないひとだから。



「アタシがいてへん方が気楽でいろんなところ見て回れるやろっ?
だから伏見に気を利かせて、
先に帰ろうと思っただけやんか!」


アタシはできるだけ怒りをおさえながら冷静に言ったつもりだった。


「先に帰る?
なに、言うてんねんっ
さっきかって変な連中に連れて行かれそうになっといてアホなこと言うなっ!」


ぐ…。

言われた言葉に返す言葉がない。