こっちむいて伏見!



ひと通り、
話が終わったあと彼はアタシがいることも忘れて、
店内をあっちこっちうろうろとし始めた。


「あ、ちょっと待ってや…」


慌ててアタシは追いかける。


なに、さっきのって
アタシに話しかけてたんじゃなくて
ひとりごとだったとか?


あー、もう信じられない。



「…伏見?」


「……」


ディスプレイされた商品を見つめたまま、
もう何も答えない。


あー、そうですか。
無視ですか。


そりゃ、勝手についてきたアタシが悪いのかもしれないけど。

でも気に入らない。



「なあ、…ってば」


何度も呼びかけているのにやっぱり
聞こえているのか、
いないのか。

無視。



もう!
なんかちょっと腹立ってきた。


ロボットよりも生身の人間見てよ!
アタシを見てよ!


アタシここにいてるんだから!

アホ伏見!



「伏見ってば!」


相変わらず無視し続ける彼に、
アタシはつい大声で言った。