こっちむいて伏見!


「ほな、邪魔モンは退散するから」


先輩は伏見とアタシの顔を交合に見て、
立ち上がり、
すれ違いざまに伏見の肩を叩いて保健室を出て行った。



「あ、ちょっと…先輩っ」


伏見の声が聞こえたのか聞こえてないのか、
先輩は振り返らなかった。


しばらく先輩の後ろ姿を見ていた伏見だったけど
ドアが閉まるとこちらへ向き直り、
ゆっくりとアタシのほうへやってきた。



「…あの…」
「えっと、」


どちらからともなく声をかける。


「あ、ごめん。
どうぞ?」


「いや、深草から…」


「…あ、…うん、ありがとう。
連れてきてくれたんって伏見やったんやってね」


なんだ、
なんだか急に恥ずかしいんだけど。

ちょっとお礼言うくらいなのに。

まともに彼の顔が見れないってどういうこと?

思わず、俯いてしまう自分が変だ。



「…別に…」


少ししてぶっきらぼうな彼の声が聞こえる。


その声に顔をあげると同じように彼も視線をそらせている。