「…え?
なんもないけど?
さっきちょっと寝るからって言ってなかったっけ?」
アタシは適当にうそをついてごまかした。
彼は少し疑った目をしてアタシを見る。
なによ…。
その目は。
アンタが怒るかもしれないから黙ってんでしょ。
どうしよう、
でもこれ以上、
変なこと言って余計に疑われるのもなんだし。
あー、早く先輩帰ってきてくれたらいいのに。
「先輩は?」
「え?ああ、アタシに渡す英語の資料を取りに戻ってる。
直に戻ると思う」
そう答えながら、
とりあえずアタシは椅子から立ち上がる。
「えっと、
お茶でも入れよう…か…」
そう言いかけた時。
えっ…?
マジ?
ちょっと待って…。
床がゆらり、と揺れて足元のバランスが崩れる。

