こっちむいて伏見!



アタシはため息ついて、
伏見と少し距離をとった所の席につく。


…それにしても、
気持ちいいなあ。


ふと窓の方を見ると風が入ってきて白いカーテンがゆらゆらと揺れている。

気持ちよさにつられ、
大きく伸びをしてみる。



そのうち少しして、
伏見の動く気配がした。


「う…」


彼は小さな声をあげてゆっくりと頭を動かした。



あ、伏見?
気づいたかな?



アタシはそっと立ち上がり、
彼に近づく。



考えたら彼に接近するチャンスなんて今くらいしかない。



「…深草」


彼の口からアタシの名前が聞こえた。


ぎくり、
として思わずその場で立ち止まる。


アタシの夢でも見ていてくれてるのかな
…なんてね。


それきり動く気配もまたなくなってしまったので、
再びアタシはゆっくりと彼に近付く。


そして彼の横に座り、
伏見の顔をじっと見る。


うつ伏せで寝ているせいでメガネが変に傾いてしまっていたから、
アタシはそっとはずして側に置いた。