こっちむいて伏見!



「そんなもん、
どーでもええねん」

彼はプリントに向かって怒る。



あー、このひと…、

本当にキライなんだなあ。



あ、そうか。

でも。


だから自分のことにしても感情表現がフラットで無愛想なんだ。


きっと不器用なひとなんだ。

マユコたちが誤解する原因もここにあるんじゃないかなあ。



ま、アタシもたいがい、
数学嫌いだけど彼ほどでもないと
…思うんだけど。




そして藤森先輩は自分の勉強が忙しいからって言いながらも
時々アタシたちの様子を心配してうかがってくれる。



そのたびアタシは伏見の異常な国語嫌いを話し、
先輩は笑いながらアタシの話を聞いていた。


その横で伏見はムスッとして黙ってる。


そんな光景もまたそれはそれで平和なのかもしれない。