「藤森先輩…」
嫌な空気が流れている中に先輩が来てくれて
ちょっとホッとしたアタシは泣きそうになった。
でも
そんな顔を見られたくないから。
アタシはうつむいたまま何も言わない。
そして
伏見も何も言わない。
「ホンマ、毎回、毎回
変なことやってんなぁ、オマエら…」
「そ…そうですか…?」
アタシはどうにか笑って答えようとするけれど、
笑顔がひきつっていないかとても気になった。
気になる、
ということはおそらくアタシの表情が変だと先輩は気づいているはずだ。
それと同時に伏見のさっきの態度や言葉にやりきれなくなってきた。
そして彼からハサミを奪い返し、
そのまま床に叩きつける。
「先輩、すみませんっ!」
それだけ言ってアタシは先輩の横をすり抜け部室を飛び出した。
「あっ!おい!」
伏見の声がしたけれど足を止めることなく逃げるように走った。

