「でも、やっぱ俺…まだ樹里の家庭教師うけたいし…これからも普通に話したりしないか?」


俺がそれだけ言うと、
一秒が一時間にでも感じれるほど重い空気が流れた。




「………無理だよ……」


「私…一樹のこときっぱり諦めきれないもん」



小さな声で樹里が呟いた。



「そ…そうだよな…なんか、ごめん…」



なんて、空気に流されることしか出来ない俺。


それに気づいたのかも分からないけど、今までに見たことないくらい樹里の顔は怖かった。


「謝るくらいなら、ふらないでよ……もう、帰って」


人にそこまで拒絶されたのは初めてで、


俺はやっぱりただ、流されて帰ることしか出来なかった。