それに対し、ヴァルターはもはや反射神経といわんばかりの仕草で道を開ける。



「一人で行ってくるから。それと……」



ヴァルターの横で立ち止まり、ツィツェーリエは腰を曲げている彼の耳元へ口を近づける。



「昨日の眼鏡はどうしたの?」



楽しそうに、それだけ言って。



答えを聞くことなく、彼女は廊下の奥へと姿を消した。





kaffeezeit ende.