金魚花火



「かみ…や…ゆず…ッ??」

「おまッ…―――どうしたんだ??」



驚いた顔をしていた。私の泣いた顔を見たからか…メイクが崩れてよっぽどひどいことになってるから…??


とか思っていたが…



「手ェ…すっげ冷たい…」



そう言いながらそっと手を大きな両手で包みこんでくれた。

あの時と一緒で…すっごい暖かく感じた。



「こ…怖かっ…たッ…」

「わッと!」



思わず飛び込んだ彼の胸の中。なんでかって??

…それは自分でもよくわからない…。

分かったことは…よくわかんないけど…彼の腕の中はすっごい落ち着くってこと。



そのままで私は子供のように小さく声を出しながらただ泣き続けた。

彼は何も言わずに頭の上に手を載せていた。