本当に、どーにかしてる。
嫌でも意識してしまう感覚なんて無くなればいいのに。
「大丈夫だよ。彩希は嫁にはいけないから」
瀬名くんはクッと笑って言う。その瞬間の表情が悪魔的に綺麗だなんて本人はまるで意識してないんだろう。
「余計なお世話です。」
出来る限り不機嫌そうな声を出す。まあ、実際、あたしなんて嫁の貰い手もあるかどーか分からない。
「だけど、あんな無防備に寝るな、最悪。無い胸寄せても目の保養にさえならないから」
瀬名くんが発した、冷たい言葉は、まるで氷みたいに冷めているのに、まるで炎みたいにあたしに刺さった。

