不機嫌な彼


帰る、そう言ったわりには向かったのは医務室。


「…彩希?いないの?」



俺は扉を開けて、その名を呼ぶ。



窓から入る風がベッドを隠すカーテンを揺らせて、僅かに覗く、白い足。


また、寝てんの?



俺は無意識にくっと笑う。



起こさない様に物音を立てず、ゆっくりと近付いて、そっとカーテンを開けた。