妖魔03(R)〜星霜〜

もう、話すこともないだろう。

「じゃあ、な」

「あなたの、名前、教えて下さい」

一瞬、戸惑ってしまう。

何故、ここまで俺にこだわるのだろう。

それだけ、死ぬ前の感覚が残っているのか。

「ザック」

入学当初に適当に付けたあだ名を教える。

「外国の人みたいですね」

「俺は、外国の人だよ」

死の国から訪れた者といえばいいのだろうか。

「君の、名前は?」

「恥ずかしいんですけど、私も美咲って言います」

「良い名前だ」

「ありがとうございます」

もう少し会話をしたくなってしまう。

しかし、俺達は、何もいう事なく別れた。

「はあ」

強くなるといっても、どうすればいいのだろうか。

素人の高校生がどう足掻いたとしても、すぐに限界が来てしまうだろう。

誰かの教えがあれば、基礎は学べるはずだ。

考えている内に、思い出の公園に来ていた。

公園の時計は零時を指しており、誰の気配もなかった。