妖魔03(R)〜星霜〜

ゆっくりと、瞼を開く。

「ここは」

周囲は森に囲まれてはおらず、見覚えのある風景が広がっている。

「俺の部屋、なのか?」

自室のベッドに横になるのは、何日ぶりなのか。

本当に、俺は生き返ったとでもいうのだろうか。

「抓ってみよう」

痛みのない左腕を抓ってみると、痛みが走る。

それ以前に、目には色が戻っているようだ。

多分、何かを食べれば味を感じるのだろう。

でも、何で俺の部屋に?

生き返るとすれば、森の中ではないのか。

俺には全ての記憶がある。

どこにも支障はない。

でも、何かがなくなったような気がする。

それはまだ、解らない。

「今は、いつなんだ?」

傍にあった携帯を開けてみてみる。

デジタルの数字には、忘れられない日時が記載されている。

「嘘、だろ?」

まず、数ヶ月前に、戻ってきてしまった事に驚いた。

そして、今日は子鉄が事故にあってしまう日である事には更に驚いた。

しかも、十分後にだ。

寝ぼけた頭に槌を打ち込まれたように、覚醒し始める。

「やる事は決まっているようだな」

出て行ける服装に着替えると、自室から出た。