妖魔03(R)〜星霜〜

「お前がそのまま持っておく事も出来るし、中に入れて能力を出す事も出来るアル」

広目は力を使ったせいか、肩を叩く。

「私の、体内に、入れる事が出来る?」

「お前が望めば、挿入アル」

マヤと共に歩む。

全てが、持国の言うとおりにはならない。

アヤの背負っていた物がどんな物なのか気になった私は、

望んだ。

すると、私の掌から体の中にめり込むように入り込む。

体内の流れる感触を味わいながらも、私は自分の中に変化を感じた。

「これは」

そう、あのネジが飛んだ時のような感覚が、私の中に現れます。

悲しいという感情すら、どこかへ飛んでいってしまったようです。

そして、身体にも変化を発揮しました。

雨に濡れ、冷たいと感じていた体も、さほど冷たさを感じなくなってしまいました。

そう、何もかもが感じないようです。

いや、鈍いといったほうが正しいのでしょうか。

「マヤさんはこれを背負っていたのですか。素晴らしい精神力ですね」

これは、気がおかしくなってもおかしくはないですね。

自分を見失ってしまいそうですよ。

「やめるアルか?」

「いえ、必要はありませんよ」

私の決めたことです。

私が私を見失ったとしても、これを手放す気はありません。

「全てはあなたの素敵な誘いによって、私は進める事が出来ましたよ。感謝します」

「まあ、アチシは尽くすタイプアル」

「それはそれは、尊敬したくなりますよ」

そして、広目さんは、家を出て行ってしまいました。