妖魔03(R)〜星霜〜

私の近くに立ち、マヤの腹部に手を置く。

「それを持つという事は、幼女の命を担うという事になるアル」

「何故、元になる物が命になる?」

「抜けば動けなくなるアル」

私の中にも存在するのだろうか。

「お前が望めば、共に葬り去る事も出来るアル。どうするアルか?」

「何故、私に肩入れする?」

広目が、マヤが死んだ時に家に来たのは何故か。

マヤが死んだ事を知っていたかの行動だ。

もしかすると、戦が始まってから読んでいたのか。

ただし、それは憶測でしかない。

「お前は唯一、行動を起こした男アル。そんな男は嫌いじゃないアル」

答えは決まっている。

しばらく考え込んでも答えは一緒だ。

考えたフリは必要ない。

私は進むと決めた。

中にある物で世界を見る事が出来るかどうかはわからない。

彼女の意志はすでにこの世には存在していないからだ。

しかし、持っていればあの世に通じて感じる事が出来るのではないかという、根拠などない事を考えた。

「頼みたい」

「ふふふ、夢で出すくらい溜まりに溜まったお前なら言うと思ったアルよ」

マヤを地面に置くと、広目は呪文を唱え始めた。

何を言っているのかは理解が出来ない。

しばらくすると、腹の部分が光り始める。

そして、腹の皮を通り抜けて紅いガラス玉のような物が浮かび上がる。

紅いガラス玉を手に取ると、私に手渡す。