妖魔03(R)〜星霜〜

何故、幾多の人間を殺した、死んだところを見ても、悲しくはなかったのか。

何故、マヤが死ぬと悲しいのか。

マヤが特別何かをしたわけではないのに、存在は大きくなっていた。

胸に痛みを走らせるほどに。

自然と涙を流させるほどに。

そして、持国は死んだところでマヤのところにはいけない。

きっと、私も持国と同じ場所に落ちるだろう。

罪を作りすぎた。

結果だけを言えば、私は生き残った。

当面の予定通り、進むしかない。

生きる事は、辛い事だ。

死ぬ事も、辛い事だ。

ならば、生きる事を選ぶ。

自決は許されない。

彼女の死が無意味な物になる。

彼女の死がもたらした事は大きい。

能力の事。

自分以外の死の哀しみ。

それを糧にするしかない。

オルゴールをマヤの手に戻し、マヤを抱え上げる。

持国に一瞥くれると、私は歩き始める。

家に帰ると、広目が待っていた。

何故、今の状況でここにいるのか。

「帰ってくれ」

気だるげな瞳で、マヤを見つめている。

「お前は、その幼女と共に歩みたいアルか?」

広目は何を言っているのか理解が出来なかった。

「思い出の中とか何だとかの話じゃないアル」

「意味が、解らない」

「化け物には能力の元になる物があるアル」

「マヤの中にある、のか?」

「持国の娘であるのならばアル」