妖魔03(R)〜星霜〜

隣の部屋を開けると、裸体のマヤが純白のベッドに座っていた。

虚ろな目は変わらず、離す気はないと言わんばかりのオルゴールを抱えている。

「マヤ」

私は、マヤの元へ歩んでいく。

傍まで来ると、マヤの様子を伺う。

やはり、視線が定まらず、どこまでも虚ろだ。

「すまない」

親に性的行為を行われているのに、マヤが私に従ったのは何故なのか。

もしかすると、拒否する行為を知らなかったとでもいうのか。

それとも、マヤは嫌だという事を言えないのか。

「ここにいたいか?」

マヤは視線を私に移す。

「誠に自分勝手だが、君を連れて行く。それでも、いいか?」

ずっと、私を見つめている。

それがいいのか悪いのか、解らない。

ただ、見つめているという事は、何かを訴えたいと言う事ではないのだろうか。

「持国は帰ってこない。もう、じっとしてる必要はない」

父親が死んだという事に対して、マヤはどう思うのか。

悲しいのか。

嬉しいのか。

ただ、身体を弄ばれていた事はなくなる。

余計な疲労を負う事はなくなる。

私はマヤの手を握ると、彼女は力を込めて握り返してきた。

その行動からして意志はある。

全てがわかっているわけではないが、マヤは行きたいと願っているのではないか。

「行こう」

私はマヤに服を着せた後、ビルから出た。