妖魔03(R)〜星霜〜

私は、持国のビル付近に辿り着く。

敵の姿はないようだ。

本当に、前線に全てを費やしたというのか?

明らかに、違和感を感じずにはいられない。

「陣形が前衛的過ぎる」

相手は増長。

短期で終わらせるには、無理があるのではないのだろうか。

「何か、ある」

ビルの裏口を探した方がいいかもしれない。

裏に回ったが、扉は存在しない。

「仕方がない」

能力によって梯子を作り出し、二階へと向う。

二階の窓は汚れてはいるが、開いていない。

バットで窓を割って、中へと入った。

内はオフィスになっており、事務用の机が並んでいる。

辺りを見回しても、敵兵はいない。

私が、一室から出た時だった。

ビルの外から声が聞こえてくる。

「ギャハハハハハ!出て来いや!ペド野郎が!」

もう、自分のビル付近にいた持国の部下達を倒してしまったのか。

外の様子が見える位置まで来ると、正面には増長と部下達の姿があった。

「今の台詞」

増長は、マヤの事を知っている。

「まずいな」

増長は皆殺しにする可能性がある。

マヤがいる場所といえば、最上階か。

階段に向う最中、増長がビルへと特攻をかける。

しかし、突如として増長は表の世界から姿を消した。

入り口手前にある穴に落ちたと言ったほうがいいだろう。