妖魔03(R)〜星霜〜

私は駆ける。

なりふり構わず、目的地へと急ぐ。

「はあ、はあ」

危害の及ぶ事のない位置から、状況を確認する。

そこは、戦場になっていた。

増長のビルに、押し寄せる人の波。

持国の部下達が、奇襲をかけたのか。

「持国はどこだ?」

辺りを確認するものの、持国の姿がない。

王は、自分のビルの中に残ったままか。

「行かなくては」

私が、持国のビルへ行こうとしたとき。

ビルの四階付近から、人が飛び降りるのが見えた。

それは、巨体。

明らかに一般人のオーラとは異なる人物が、地に降り立った。

下敷きになった人間も、いるのだろう。

片手には、増長と同じ背丈くらいの大剣が携えられている。

「ギャハハハハハハハハハハハ!面白え事してくれんじゃねえか!」

威勢のいい声を出したかと思えば、大剣を振るう。

あっという間に周りにいた人間は、一刀両断にされ命を落とした。

「ギャハハハハハハハ!まずい血しやがってんな!」

シャワーを浴びるかのように、増長は血まみれになっていく。

王が出てきたとなれば、持国の部下は容赦がない。

距離の開いた場所から、一斉射撃を行う。

瞬時に蜂の巣になり、増長は倒れる。

増長を倒したという事で歓喜の声が上がる。

持国の部下は、増長の能力を知らないのか。