妖魔03(R)〜星霜〜

多聞の他に誰かが来る気配がない。

隠れ家を見つけられたのは、マヤ、広目、多聞の三人だけだ。

「マヤ」

やるべき事をやるだけで、全てが終わる。

そう、終わるのだ。

身体は痛くなるものの、居心地のいい世界で横になる。

もし、マヤを助けられたとするのなら、私はどうするのか。

廃墟を出るのか?

廃墟を出てどうするのだ?

私は何年も廃墟にいて、今の外世界を知らない。

今から、外世界で生活する事が出来るのか?

隔離された世界で生きてきた、何も知らない私が出来るのか?

過去をさかのぼって思い返せば、外の世界はここよりも条件が多い。

「血の繋がっている他人」

いや、頼る事はない。

どちらかが妖魔だというのであれば、私は返り討ちにあってしまう。

私達はまだ子供だ。

子供を保護してくれる組織があるかもしれない。

そこに行けば何とかなるのではないのだろうか。

「でも」

マヤを助ける事に失敗したとすれば?

悪い考えではあるが、失敗する事がないなどと誰が言えようか。

もし、マヤが殺されたとすれば?

もし、マヤが巻き添えの中で死んだとすれば?

もし、マヤが持国から離れる事を拒否したとすれば?

もし、自分が死ぬ事になったとすれば?

私はどうすればいいのか。